Culthouse diaspora

風が辿りつかない場所

東罪線

東京都民となってもうすぐ丸二年となる。今の住処に引っ越す前に住んでいたのは東京の江戸川区やディズニーリゾートでお馴染みの浦安に隣接する千葉県は市川市南行徳という地域だった。

何故南行徳で暮らしていたかと言えば、就職で上京する前、父親の仕事の関係で一時期その南行徳に住んでいたことがあるからである。どうせ住むなら多少でも土地勘があって家賃の安いところに、というのが一番大きな理由であった(前の会社が新卒向けに紹介した物件が埼玉の僻地であるにも関わらず強気の価格設定で引っ越しの初期費用が捻出できなかった、という理由もある)。

しかし実際のところ、「土地勘」というのが7年ちょいにわたる南行徳在住中に役立ったことはほとんどなかったような気がする。俺が以前に南行徳に住んでいたのは小学校6年の半ばから中学2年の途中までの2年ほど。別段アクティブなガキでもなかったし、所詮は子供の足だ。一人だけの行動範囲はたかが知れている。

何より、10年も経てば街の様相はガラッと変わる。なんだかんだで南行徳は首都圏なのである。店や建物の入れ替わりは俺の地元に比べて遥かに早い。俺がhideやXのCDを買ったCDショップはなか卯に変わっていたし、バイオハザードの1作目を買ったゲーム屋はネカフェに変わっていた。俺がミニ四駆を走らせたおもちゃ屋はまだ残っていたが、中学で仲の良かった友人の両親がやってた洋食レストランは北欧雑貨を扱う店になっていた(店主はその友人の姉らしいが)。諸行は無常だ。

まあ通勤には便利だが東西線は死人が出ないのが不思議なほど毎日混雑するし、コンビニもスーパーも多くて生活にも困らないけどチェーン店ばっかりで街への愛着が湧くような事は一切なかったし、もう一度住みたいとも全く思わないけれど、何かの拍子に一度くらい遊びに行ってもいいかと思っている。というのも、俺が引っ越す直前に自宅近くにできたカレー屋が、上京して食べたカレーの中でも一ニを争うほど美味しくてだな。

JI-NO

食べログ JI-NO


このブログをお読みの諸氏のうち、今後南行徳と何らかの接点を持つ人がどれほどいるか分からんが、リーズナブルで上品な洋風カレーを求める人には激しくオススメしておく。