Culthouse diaspora

風が辿りつかない場所

Road to OGIKUBO

荻窪である。森久保ではない。祥太郎でもなければ乃々でもない。

 

当方シフト勤につきも土日も祝日も出勤しなくてはならない場合がある。シフト勤になったのはもう6年以上前だが、おかげ様で一週間の概念が消し飛んで久しい。早く朝起きて夜寝て土日に休める人生に戻りたい。…と思ったが、労働に身をやつしてからカレンダー通りの勤務体系だった期間の方がもう短くなっているのか。時が過ぎるのは早い。

 

で、今日も日曜だが朝から出勤日であった。昔から基本的に朝起きるのは早いのだが、今日は普段より更に1時間近く早く起きたので、普段と通勤ルートを変え、荻窪から出勤することにする。今の住処から荻窪駅までは徒歩で約30分ほど。以前は運動がてら時折このルートからの通勤を試みていたのだが、ここ最近は早起きが苦痛ではないにも関わらず家を出るのに時間がかかる悪癖が悪化していたのと、人体に優しくない暑さのせいでこちらのルートを選べずにいた。

 

今日家を出たのは7時30分頃。気温は27度ほどだったが、日差しがないためか、朝は比較的過ごしやすかった。最高気温が30度でも温度が低い方だと感じてしまう昨今。慣れは恐ろしいものである。地球の温度が上がっている。地球環境を鑑みた一番のエコは人類が地球から消えることだ。早く核戦争による核の冬か、隕石衝突による衝突の冬が到来するべきである。

 

そんなことを薄ぼんやりと考えながら環八通り沿いを真っすぐ歩いていく。石を投げればアニメスタジオに当たる杉並区は、今回の通勤経路上にもいくつもアニメスタジオがある。俺の彼女によれば、日本の今のアニメーターの数は、ほぼ活動をしていない人間も含めて3000人程度らしい。これが多いのか少ないのかは何とも言えないところだが、どうでもいいIT企業は多すぎるし、どうしようもないIT従事者も多すぎると思う。

 

住宅街を抜けると少しずつ繁華街らしき街並みが広がっていき、荻窪の駅が見えてくる。荻窪も不思議な街だ。高円寺や阿佐ヶ谷ほど尖ってはいないものの、完全なオフィス街や住宅街と捉えるには街の色が強過ぎる。快速が止まる大きな駅で、駅ビルも存在しているものの、どこか寂れた様子がある。そこがなんだか居心地が良い。

 

そんな荻窪から都心に向かい、今日もどうしようもないIT従事者として仕事を片付ける。特にオチもない。今日はそういう日だった。