Culthouse diaspora

風が辿りつかない場所

Infernal War/Axiom(2015)

 

Axiom

Axiom

 

 Rate:C

 ポーランド産ろくでなしファストブラックメタルの、フルアルバムとしては8年ぶりとなる3作目。

 

今は昔、ブルータルデスメタルに漸近するブラックメタルが流行ってた時期があってな。いつからそれが始まったのかは分からんし、どこの誰が最初に呼び出したのかも分からんが、とりあえずそういうスタイルのブラックメタルをそのまんまファストブラック/ブルータルブラックなどと呼んでたりしていた。よく分からない人は上記の固有名詞を醤油ラーメン、とんこつラーメン、醤油とんこつ等に置き換えてみると良い。ほら、面倒臭い対立が起きそうな気がしてきただろう?

 

さて置き、ファスト/ブルータルブラックを標榜する(あるいは勝手にカテゴライズされる)バンドは結構いて、今でも活動を続ける有名所だとMardukやDark Funeral、1349やAnaal Nathrakhとか、有名所以外だとAsmodeusとかCadaver Inc.とかI.C.E.とかとか、まあ色々いたんだよ。いたんだけれども、有名所は多くのバンドが速さに特化した路線を切り替えて、いつの間にかファスト/ブルータルのカテゴリで括られる事はなくなったし、中堅どころ以下はほぼ開店休業中だしで、トレンドとしては過去のものになってしまった感が強い。

 

いつもの事ながら前置きが随分長くなったけれど、Infernal Warはファストブラックのタームが有効だった頃に、私含むろくでなし界隈が諸手を上げて大絶賛したファストブラックの鬼子なのである。当時のトレンドであるブルデスに漸近するブラックではなく、こちらはキレ良くして加速させつつ地獄化させた汚物スラッシュメタル。ラーメンで喩えるなら溶鉱炉な。T2でシュワルツネッガーが沈んでいく事でお馴染みのアレ。

 

で、そんなポーランド産地獄製造機の8年ぶりの新作は、まあ何にも変わってないです。速いです。悪いです。地獄みたいです。沢山人が死んでそうです。以上。

…で終わらせようかと思ったんだが、なんか死人の数が一桁くらい減ってないすかね今作。何か前作に比べると全然刺さらないんだよなあ。プロダクションが変わった、幾分か曲がマイルドになった等々、原因はあれこれ考えられるが、まあきっと一番の大きな原因は、寝かせ過ぎじゃねえのかなって思ったり。

 

ともあれ、ライブとか凄そうな気するので、何かの拍子に来日してライブ見たらまた印象変わったら掌返しする気は満々だよってことでお茶を濁しておきます。

 


INFERNAL WAR - Into Dead Soil (new track 2015 ...