分島花音/ツキナミ(2015)
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Mana様プロデュースによりデビューしたのも今は昔。昨年のストブラやselector関連の主題歌を提供してた事で一気にアニソンシンガーとしての認識が(主に私の中で)強まった感のある分島花音の通算3作目、レーベル移籍後は初となる5年ぶりのフルアルバム。まあMana様プロデュースでリリースした最初のシングルもアニソンだったので、最初からアニソンシンガーだった説はあるが。
私がこの人の名前を知ったのは、随分と前にどっかのサイトでV系とは何だったのか的な特集記事が組まれてた時に、その記事の中で今後注目のV系アーティストは?って中で名前が挙がってたのが最初だった気がする。確かその記事の中では、美人さんで歌上手くて才能のある若手でチェロ弾きで大注目、みたいな煽られ方がされてたと記憶している。で、そこから随分と間が空いて、昨年selector1期のOPであり、本作「ツキナミ」の最初のトラックでもあるkilly killy JOKERを聞いた時には、あれ、この人こんなアニソンやるようになってたの?という随分な衝撃を受けたりしたもので。ものっそい雑に例えるなら、ALI PROJECTとかのゴシックロリヰタ的な自意識と茅原実里辺りのアッパー系アニソンのノリを良い所どりしてソフトランディングさせた感じ(ハードランディングさせると妖精帝國になる)で、まあ私のツボにめっちゃハマったワケだよ。
それで個人的に相当に楽しみにしてた今回のフルアルバムだが、うん、良かった。この人自身のルーツは間違いなくV系だと思うが、本作はSchool Food Punishmentで編曲を担当してた江口亮が参加するなど、ロキノン方面からのエッセンスも取り込まれてるのも面白い。ただまあ、アルバム全体を通して聞くと、シングル曲が際立ち過ぎてて、他の収録曲とのバランスが微妙なのが残念な所ではあるかな。タイトルトラックにもなってるツキナミとか、さんすくみ、ラストを飾るモンスター・スターなど、センスを感じる佳曲は揃ってるんだが…ともあれ、恐らく日本どころか世界唯一のチェロ弾きアニソンシンガーとして、更なる飛躍を予見させるには十分なアルバムだと思う。