Culthouse diaspora

風が辿りつかない場所

お題スロットより その2

お題「思い出の味」

自分で話題を考えられなくなったら終わりだって誰かが言ってた。でも始まってもいないものが終わるということもないのであんまり気にしないことにする。で、今日のお題スロットから出たのは「思い出の味」と。

基本的に俺は食べることが大好きなので、思い出の味としてインプットされてるものは非常に多い。物心ついてからの味、中学の、高校の、大学の、働き始めてからの…といった具合に、自分の過ごしてた年代ごとに色んな思い出の味がある。そして多分これからもそれは増えていくのだろう。

そんな中で、もう食べられない思い出の味が、祖母の作ったお好み焼きの味である。小学校から中学の頃、祖母とうちの家族とは離れて暮らしていたが、同じ市内に家があり、なんだかんだで月に2、3回くらいは祖母の家を訪れていた。そこで祖母がしょっちゅう作ってくれていたのがお好み焼きである。当時の俺はそれが大のお気に入りだった。特別な粉を使っているわけでもなければ、祖母が特段料理が上手い人だったわけではない。キャベツがベースで肉も入っていないシンプルなお好み焼きだった。大体の料理はうちの母親の方が上手かった気がするが、お好み焼きだけは祖母が作ったものの方が美味しかった。

最後に食べたのは俺が中学の頃だっただろうか。俺が働き始めて間もなく祖母は亡くなってしまったので、今となっては再現する術もない。今になって思えばなんてことのない料理だったと思うが、思い出の味なんて大体そんなものだと思う。でも少しだけ寂しくはある。