Culthouse diaspora

風が辿りつかない場所

Askfmの回答という名のシュピーゲルシリーズアニメ化妄想

クイズです♪クイズです♪

オーケー、それはつまり俺に冲方丁シュピーゲルシリーズがアニメ化した場合の妄想を垂れ流せということですね?
理解しました。気持ち悪い上に長くなりますよ。良いですね?
オーケー、twitterでも散々申し上げておりますが、ストパンガルパン武装神姫のアニメも全部全部シュピーゲルシリーズアニメ化への試金石ですからね。よろしいか?

「克服あれ」

オーケー。ではまず冲方丁という作家についてですが、まあググったりwikiを見たりすると良いでしょう。
・・・で済ますのもあんまりなので軽く触れておきますと、77年生まれの作家ですが小説家としてのデビューはかなり早くて1996年の頃だったりします。その後はライトノベルSF小説をメインの活動にしてるかと思いきや、その前にセガガガシェンムー等のゲームのシナリオ書いてたり、ピルグリムイェーガーやシュヴァリエといった漫画の原作をやってたり蒼穹のファフナーのアニメ脚本やったりと無闇に多岐に渡って活動してる人だったりします。
で、2009年に渋川春海の生涯を題材とした「天地明察」が吉川英治文学新人賞本屋大賞などを受賞して大ブレイク。同作品はV6の岡田准一が主演で映画化されたりしまして、 オタ界隈だけでなく一躍茶の間のパンピーにも認知される有名人に。

この人、初期の頃こそ著者近影が反政府活動家みたいな格好だったりしたのですが、天地明察の頃には垢抜けて韓流スターみたいな風貌になってまして、天地明察の映画出演者と並んだ写真でも見てるこちらが全然違和感を覚えない程度にはイケメン作家だというのも人気が出た要素の一つだったりするのかなあって思います。

で、この人の作品(天地明察以降の一般小説は私が宗教上の理由で読んでいないので分かりません)ですが、作品によって程度の違いこそあれ、山田風太郎辺りに影響を受けたとおぼしき変な人間共が出てきたりしまして、例を挙げますとうら若い女の皮(文字通りの意味です)を被った少女趣味のゴスロリババア(男)だとか、
おかああああああああああああああああさん!おかああああああああああああああああああさん!」と叫びながらゴキブリみたいな動きで這い回る人間大のゴキブリみたいな人間とか、ちょっと作者の正気を疑うような人間がどっかしらで必ずいるのが特徴だったりします。


―― 内的導引性ビジョン――

軽くと言ったのに随分と前置きが長くなりましたね。まあいいや。

オーケー、そんな冲方丁天地明察が発売される前の2006年から、自身にとって「最後のライトノベル」と銘打って始まったのが、これから述べる「シュピーゲルシリーズ」です。シュピーゲルシリーズに関しては、やはりググったりwikiを見たりするのが手っ取り早いかとは思うんですがこれまた軽く触れておきます(長文読みたくなければこちらのサイトがオススメです http://www49.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/14011.html) と、作品の舞台は西暦2016年の国連管理都市ミリオポリス(かつてのウィーン)で、極度の少子高齢化と犯罪・テロの増加を背景に児童労働と身体障害児に対するサイボーグ化が認められたアレげな近未来(連載が始まった当初は10年後の未来だった)です。同シリーズはそんな作品の舞台を角川スニーカー側がオイレンシュピーゲル(全4巻)と、富士見ファンタジア文庫側がスプライトシュピーゲル(全4巻)とレーベルを跨いで二つに分かれておりますが共有しつつ、それらの物語を統合するテスタメントシュピーゲル(現状1巻のみ)が展開されております。オイレン、スプライト共に3人のキャラ原案が特甲少女(身体障害児のサイボーグ。キャラ原案が島田フミカネ)が主人公なのですが、それぞれの過去がもうひたすら凄惨、作中で扱ってる話のネタが現実の911以降のテロや紛争に関わる国際問題をガチに取り込んだもので全然ライトじゃない、にも関わらず作者自身の政治信条語りや露悪趣味が前面に出てきて説教臭くなったりすることなく、あくまでもそれらを容赦なく果断なくビビッドかつエモーショナルかつスピーディに奇跡的なバランスの上でエンターテイメントとして描き切る所に徹しきった快作、否、怪作であります。

SFというのは必ずしも科学や理論によって希望に満ちた未来ばかりを提示するものではなく、現実の社会情勢やら何やらに呼応した(それ程希望的でない)人間のあり方(それが現在でも過去でも未来でも)を描く、
という側面があるものだと思います。シュピーゲルシリーズに限らず、冲方丁のSF作品は基本的に後者の立場を取る作品が多いのですが、本シリーズはまさにその極致といえるでしょう。私の友人をして「ぶっちゃけ伊藤計劃のハーモニーってシュピーゲル下位互換だよね」と言わしめるのもむべなるかなってヤツです。だってもう、そんな凄惨なキャラ共が皆かわいいのですもの。カッコいいのですもの。エグいのですもの。自分が死ぬ間際にもう一度読み返したくなるくらい話が面白いのですもの。とまあ、ここで俺が幾ら言葉を並べ立てた所で本作の魅力の1000分の1も伝わらんでしょうから、つべこべ言わずに読めって感じなのですが、本作には大きな問題が三つ程ございます。

ひとつめ。このシリーズ、こんだけ意欲的な取り組みをやっておきながら、これまで(天地明察以前)の冲方丁のファンか(中古参以上の)ライトノベル読者以外にあまり読まれてないです。現在のラノベの主要な読者層が求める作品と、冲方丁の書くライトノベル作品との乖離が大きくなってることは否めないです。これはもうシリーズの始まる2006年からそうだったのですから、2014年の現在であれば尚更でしょう。作者自身が本シリーズを「最後のライトノベル」と銘打ってたのもその辺に理由があります。では天地明察以降の作品から入ってきた人が何気なく手にする程にシリーズに希求力があるかと言えば、そうでもないのが現状のようです。これはもう、どうしてだろうね?というしか。

ふたつめ。扱ってる時事ネタが比較的シャレにならない。上でも述べましたが、同作は比較的シビアな社会問題を扱うことが多いのです。で、この作品内において日本は全土が放射能汚染によって人が住めなくなり、国民が難民化して世界各地に文化委託を行っている、という設定があったりします。言わずもがな日本の放射能問題って今非常にデリケートな話題ですが、本作のこの設定、311の震災が起こるずっと以前からあった設定なのですよ。テスタメントシュピーゲルの続巻が2009年以降なかなか出ない理由の一つとしてこの設定の問題があるかと思います。冲方丁自身もたまたま福島に新居を構えた矢先に先の震災に遭遇してたりして、完全に被災者の側だったりするのがもうなんというか。

みっつめ。これが一番大きいのですが、冲方丁が人気作家になり過ぎてしまったというのがあります。この人、決して筆の遅い作家ではなくて、むしろ早い部類の作家なのですが、天地明察以降に一般小説での仕事の比重が大きくなり過ぎて、シュピーゲルシリーズに手を付ける暇が全くないというのが現状のようです。そもそもライトノベルと一般小説では読者の母数が圧倒的に違ってまして(言うまでもなく後者の方が圧倒的に多いです)、本を出してヒットした場合どちらの方がより大きな金が入るのか、そんなことは私のような素人にでも分かります。しかもシュピーゲルシリーズは一部のラノベ読者以外にそれ程読まれていないのに対して、天地明察以降に出版した水戸黄門を題材にした「光圀伝」や清少納言を扱った「はなとゆめ」では新規の読者層をガシガシ獲得するのに成功している現状。となればどちらの仕事を優先するかって、そりゃあね・・・。その他にも去年は攻殻機動隊の新しいアニメの脚本やってたり、47RONIN日本語字幕の監修やってたり、マジでいつ寝てるんだこの人?ともあれ、読者に対しては真摯な作家でありますから、きっとシュピーゲルの続編は冲方丁が生きていれば必ず出るのでしょうけど、いつになるのかな・・・また来年かな・・・。


《以下、妄想を開封》


オーケー、ようやくここまで辿りつきました。そんなシュピーゲルシリーズがアニメ化した場合のスタッフやらキャストやら諸々をこれから考えていきたいのですが、先にも述べた通り本作がアニメ化すると本当の意味で大問題作になりかねないのです、てかなる、絶対なる。そもそもヒロインが全員ダルマだぜ?でもね、だからこそ本当に、きちんとしたスタッフできちんとしたアニメになってもらいたいのですよ。エヴァだろうがギアスだろうがまどかだろうがダークナイトだろうが全部吹き飛ばすくらいの大問題作が俺は見たい。故にもう一度本編のこの言葉を引用しましょう。「克服あれ」

ただでさえ情報量の多いこの小説をアニメにまとめようとすると1クールでは絶対に足りなくなるので2クールで。当然オイレンとスプライトは同時展開。テスタメントは今後の分量が分かりませんが、これも2クールでいきましょう。120分くらいの劇場版数作でも良いよ?あとは冲方丁と出演声優のラジオ展開もがっつりやりましょう。メディアミックスもしやすい作品だと思うんだけどなー。というわけで以下ぼくのかんがえたさいきょうのスタッフです。多分。恐らく。


原作:冲方丁
キャラクター原案:島田フミカネ
監督・絵コンテ:高村和宏
シリーズ構成・脚本:冲方丁
アニメーション製作:プロダクションIG
音楽:岩崎琢
配給:アニプレックス


キャスト
オイレンシュピーゲル
涼月・ディートリッヒ・シュルツ:豊崎愛生
陽炎・サビーネ・クルツリンガー:早見沙織
夕霧・クニグンデ・モレンツ:東山奈央
吹雪・ペーター・シュライヒャー:白石涼子
フランツ・利根・エアハルト:杉田智和
オーギュスト・天龍・コール:磯部勉
ミハエル・宮仕・カリウス:小山力也
マリア・鬼濡・ローゼンバーグ:小清水亜美
ミゲル・千々石・ベイカー:三宅健太
モリィ・円・カリウス:柚木涼香


スプライトシュピーゲル
鳳・エウリディーチェ・アウスト:井上麻里奈
乙・アリステル・シュナイダー:高垣彩陽
雛・イングリッド・アデナウアー:悠木碧
冬真・ヨハン・メンデル石川界人
トマス・ルートヴィヒ・バロウ神父:田中秀幸
ニナ・潮音・シュニービッテン:伊藤静
ヘルガ・不知火・クローネンブルグ:大原さやか
水無月・アドルフ・ルックナー:神谷浩史
シャーリーン・巫・フロイト沢城みゆき
ホルスト・御影・ブレネンデリーベ:小西克幸
ロルフ・日向・アナベル:石川英郎


リヒャルト・トラクル:家弓家正


チョイスした理由を挙げだすもういよいよキリがなくなるのでこの辺りで。本当はこの回答の文体もクランチ文体にしたかったのですが、諦めました。


ドキドキしたいっしょー!